ジーンズのステッチ〜その1・糸について〜

ジーンズステッチ

ジーンズ

久しぶりに、今更聞けないジーンズの豆知識シリーズ。

今回は、ジーンズらしさを演出する大事な脇役、“ステッチ(縫い糸・縫い目)”について。毎度のごとく、知れば知るほど深みにはまったので2回にわけてお届けします。1回目の今回は、にフォーカスを当てます。

 

ジーンズの縫い糸の色は〇〇に似合う色

 

リーバイスが労働者、主に炭坑夫の作業着として世に送り出したジーンズ。今の今まで、ほぼその姿形が受け継がれ、世界中の人に愛されている、世紀の発明品であり、永遠のマスターピース=名作です。1873年に生まれたかつてないほど丈夫で長持ちするその作業着パンツは、虫除け・蛇よけ効果があるインディゴで染めた糸で織ったデニム生地で作られ、生地が重なる部分には補強の為の金属鋲・リベットが施され、背にはブランドの顔でありその丈夫さを保証する革パッチが配されています。

ジーンズ

そして忘れちゃいけない特徴として、オレンジ色のステッチ(縫い糸・縫い目)があります。パンツ全体を走りめぐるステッチは、デニムの布地にグイっと押し込まれるように縫われ、見るからに丈夫そう。「簡単には解けないぜ!」と主張しています。

ここで問題。なぜ、ジーンズの糸はオレンジ色なのか?

正解は、当時真鍮で作られていたリベットの色と合わせているのです。インディゴブルーに映えるコッパー(真鍮)色のリベットは、ジーンズらしさの象徴であり、リーバイスの誇りです。そのリベットに縫い糸の色を合わせるなんて、粋な計らいだと思いませんか?作業着だからといって、おしゃれ心や遊び心を失くさずにものづくりをした先人たちに敬意を表さずにはいられません。

ジーンズポケット

 

糸の太さはこだわりの証〜番手でわかるジーンズづくりの奥深さ〜

 

丈夫なジーンズを縫うには、丈夫な糸が必要、ということは想像できるかと思います。ここで、少々糸についての予備知識を。

糸

糸は、番手でその太さがわかります。正確には、番手は糸の重さの単位で、綿糸の番手は、1ポンド(約453g)で840ヤード(約768m)の長さを1番手と定められています。番手の数字が小さいほど重く、大きいほど軽くなります。単純に考えて、糸が太ければ重く、細ければ軽い、ということで糸の太さ識別する単位として用いられています。

糸の番手は、縫うもの(素材)によって選ばれます。分厚い生地には太い糸、薄い素材には細い糸。

具体的に縫うものと番手の組み合わせを挙げてみると、うす〜いシフォン生地や極薄生地を縫う時は、90番手。下着やシーツ、縫い目を目立たせたくないブラウスやドレスシャツなどは80番手。極々一般的なメンズ・レディースウェア、カーテンなどは60番手で、家庭用のミシン糸や手芸店で売られている主要な糸も60番手です。作業着やスポーツウェア、ユニフォーム、コートなどの厚手のアウターは50番手。ステッチやニット製品など、縫い目を際立たせたいものなどは30番手。20番手は、ジーンズをはじめとして、カバンやボタン付けなどに使われます。

丈夫さが自慢のジーンズは、30番手、20番手、8番手、6番手を用い、縫う箇所によって糸の太さを変えているのが一般的です。もちろん、メーカーや作り方によって糸の選び方は異なりますが、番手の異なる糸の使い分けや、他のジーンズでは使われていない番手の糸を用いるなど、糸の選び方でこだわりを表現できるわけです。

ジーンズ

中でも、多く使われるステッチ(シングルステッチとチェーンステッチ)に使うのが、30番手と20番手です。ミシンには上糸と下糸があり、2つの糸で生地を挟んで縫い止めていくのですが、ジーンズを縫う際、この20番手と30番手の異なる番手の糸を上糸と下糸に用いて縫うことで、補強とステッチの表情を作り上げています。前後のポケット、バックヨーク、裾など、ジーンズの特徴的なパーツがこの組み合わせの糸で縫われています。

ジーンズを縫うミシン

8番手の糸はカバンや革製品などにも使用されるほどの太さですが、ジーンズでは、ベルトや内股のチェーンステッチなどで使われています。

6番手の糸は、さらに太く丈夫な糸。股上や股下、腰の脇など、パンツの構造上、より負荷のかかる箇所に使用され、ジーンズの丈夫さを確固たるものに仕上げるべく用いられます。

ジーンズステッチ

その他、オーバーロック(端折り)や、カン止め、ベルトループなど特殊な縫い方が必要な箇所では、30番手の糸が多く使われます。

 

主張しないジーンズーYokosuka Jeans―

 

我らがYokosuka Jeansに使用している糸は、ジーンズと同じ色の糸。リーバイスの王道ジーンズとは反して、「主張しないジーンズ」です。リベットもあり、コインポケットもある、けれどステッチの色がリベットの色ではなく、ジーンズと同じ色なだけで、全体の表情がエレガントで落ち着いて見えるのが不思議です。

横須賀ジーンズ

 

ジーンズって、ほんとうに面白いですね。それでは、さよなら、さよなら、さよなら。

 

次回は、ステッチの種類、縫い方の違いについて取り上げます。お楽しみに。

 

 

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