ボタンフライ vs ジッパーフライ

ジーンズ

ボタンフライやジッパーフライのフライは「フライフロント」日本語では「比翼仕立て」とよばれる仕立て方の名称で、上前の端を隠しボタンにするために、ボタン止めの部分を二重構造にした型です。ジャケットやレインコートなどによく見られ、ときにはスラックスの前開き部分や、ドレスシャツなどにも取り入れられている型です。

そして、もちろん、ジーンズにも。

今日はこのボタンフライとジッパーフライのおはなし。

どうしてジーンズにこの方法が取り入れられているのか。そして、ボタンフライとジッパーフライそれぞれの特徴などをまとめてみたいとおもいます。

ジーンズとボタンフライの関係

以前、リベットについておはなししたときで、ジーンズのはじまりについて触れましたが、ジーンズが発明されたのが1873年。労働者の作業服として生まれたジーンズは、その丈夫さ、頑丈さがなによりものウリでした。そして作業着としてのジーンズは、洗濯にも強くなくてはいけないわけです。

そこで、

ジーンズにボタンフライを施した理由

ジーンズにボタンフライを施した理由のその1。

ジーンズに使用するデニム生地は、洗うと縮むという性質があります。これは、現代でも同様です。まして、ジーンズ誕生当時は、現代ほど防縮加工技術が発達していなかったので、ジーンズを洗えば洗うほど、生地の縮みやねじれが激しくなりました。ボタンフライにすることで、生地が縮んだりねじれたりしても機能に大きく影響しなかったのです。

ジーンズにボタンフライを施した理由のその2。

なにより丈夫で頑丈。半永久的に壊れないことは、ジーンズのウリをさらに高める要素です。

ジーンズにボタンフライを施した理由のその3。

これは、根本的な理由ですが、ジーンズ発明当時1873年にはまだジッパー(ファスナー)が発明されていませんでした。

ジッパーが発明されたのは、1891年で発明当時はまだデニムの縮みやねじれによってゆがんでしまい、使いものにならなかったといいます。そして、ボタンフライは、既に他の多くのワークウェアブランドが作業着に取り入れていた手法であり頑丈な作業着を作る上で必要な方法でした。

ジーンズのボタンフライは、リベット同様ジーンズの誕生から切っても切れぬ関係として備わっているジーンズの機能でありデザインなのです。

ジップフライの誕生

世界ではじめてジッパーフライのジーンズを生みだしたのは、Lee(リー)で、1926年のことです。

それまで数多くの優れたワークウェアを世におくりだしていたLeeが、カウボーイやロデオライダーのために設計したLee Cowboy Pants(101)にジップフライを施し、101Zとして発表したのです。デニムの防縮加工技術が向上したことも、ジッパーフライを可能にした大きな要因です。

Leeは、1911年の開業当初から、優れたマーケティングと開発能力で、斬新かつ機能的、そして、デザイン性にも富んだ製品を発表し成功していました。そのLeeが、ジッパーフライジーンズを開発したことは、とても納得のゆくはなしです。

ジップフライの誕生

画像引用元:https://leejeans.com.au/page/history

ボタンフライのメリット・デメリット

昔ながらのジーンズらしさを演出しているボタンフライは、そのオリジナル性だけでない、メリットもあります。

穿き込んでいくほどにボタンの形のアタリ(色落ち)がでて、ジーンズに豊かな表情を与えること。ボタンとボタンの間のあそび部分によりシルエットをキレイにみせてくれること。

長く穿き続けていても、壊れることはめったにない丈夫さ。

ローデニムなどの縮む生地でも対応が可能です。

一方、ボタンフライは「着脱が面倒」という声が大きいのは確かです。特におろしたての新しいジーンズは、固くてボタンを留めるのも外すのも時間がかかります。

ただし、ココにはいろいろな意見がありまして、ボタンフライに慣れると、想像以上に素早くなる、というか、手付きが慣れる感覚があります。外すのも、ジッパーのようにはいかないまでも、長く穿き込むと、パラパラパラと引っ張ると外れるようになります。

これは、不便さを不便と感じなくなる時が来る、というか、好きこそ物の上手なれ、というか、習うより慣れろ、です。

そういう意味では、理屈なしに、ジーンズへの思い入れやこだわりが感じられるのがボタンフライの一番の特徴でありメリットかもしれません。

ジッパーフライのメリット・デメリット

先行であるボタンフライに比べ、その着脱が楽なことが一番のメリットです。ジーンズ以外のほとんどのパンツにジッパーフライが採用されています。ジッパーは衣類品の機能性を大きく変えた発明品ともいえます。

リーバイスがジッパーフライを導入したのは、1947年以降。
女性にアピールすることが目的だったそうです。 確かに、ボタンフライは無骨でラフな印象に対して、ジッパーフライは、静かでしなやかな印象です。

便利なばかりではないジッパーフライ。デメリットは、まず、ジッパーが壊れやすいこと。そして、壊れたら直しにくい。

ジッパーを閉め忘れた時の状態が、ボタンフライに比べると、派手(?!)なことも...。

今回このボタンフライとジッパーフライについて記事を書くにあたり、ネットで調べものをしていたら、ボタンフライをジッパーフライに、ジッパーフライをボタンフライに、変更するお直しサービスがあり、多くの人が利用していることを知りました。そのいずれの例も上で述べたそれぞれのメリットデメリットを感じ、わざわざお直しするほどの支障が生じたのだろうな、とおもいました。

オリジナル性、デザイン性、機能性や必然性など、諸処の理由で施されている、ボタンフライとジッパーフライ。

みなさんのお好みはどちらですか。

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